・問題1(出題:東北大学山元教授) X(18)は私立Y女子高の生徒であり,看護師を目指して通学していた。高校2年だった2005年冬,知人を通じて写真集の話が舞い込んだ。田園風景,民家風の建物の中で撮影が行われ,高3だった2006年8月15日に写真集『現役女子高生』を出版した。本写真集は,グラビア・アイドル愛好家の間で大変な人気となった。本写真集では,掲載写真の2分の1ほどを水着姿が占めていた。新学期は9月1日からはじまったが,9月10日にXはYから謹慎を言い渡され,直後に担任の教師から自主退学を示された。「友人と一緒に卒業したい」と,Xは,自主的に原稿用紙に10枚ほどの反省文を提出した。そこには,これまでの経緯及び今後校外における芸能活動は自粛する旨が記されていた。だが,校長Zは, 10月1日付で,写真集の出版は建学の精神と教育目標に反するとして,校則に基づいて,Xを退学処分とした。 設問:X・Yの訴訟代理人だとすれば,この訴訟において,どのような憲法上の主張を行うか,述べなさい〔註:ディベートにおける設問は実際上はこのとおりでしたので,改変いたしました〕。 なお,オリジナルの問題及び参照資料は,こちら。 ・問題2(出題:早稲田大学中島教授) A市市立図書館では、少年法61条に抵触する内容の写真が掲載されている単行本「私はママを殺すことにした」の閲読を禁止することにして、書架から撤去し、閲読希望があっても応じないことにした。A市の市民Xは、同書をぜひ読みたいと考え、閲読請求をしたが、A市図書館は請求に応じなかった。そこで、XはA市市立図書館の措置を不服として、出訴することにした。この請求は認められるか。原告・被告の双方の観点から検討しなさい。また、前記書籍の著者が閲読禁止を争う場合はどうか。 〔註:ディベート当日は,著者の請求については扱いませんでした。〕 |